人間関係、褒めた方が良い?叱るのが良い?答えは〇〇です!臨床心理士が解説、他人との上手な関わり方

育てをする上で、叱って育てるのか、褒めて育てるのか、というのはよく聞くお話です。

実際のところ、どうすれば良いのでしょうか。今回は、子どもだけではなく、対人関係全般に応用できるように拡大して解説していきたいと思います。

今回は知っていると得する他人との上手な関わり方についてのお話です

目次

子育てをしたり、対人関係を築く上で大切なこととはなんでしょうか。あいさつや礼儀、マナーも大切ですが、一番は「相手を認めて尊重する」ということです。

そんなことはわかっているし、漠然としすぎてわからない、と思う方が多いでしょう。ではそこを詳しく見ていきましょう!

「他人は変えられない」という事を皆さんご存知ですか?魔法が使えない限り、他人を変えることはできません。他人が変わるときは、その方自身が「変わろう」という気持ちになったときです。

「馬を水辺に連れていけても水を飲ませることはできない」と言う諺があるように、もしかすると相手の気持ちを動かすことができるかも知れませんが、そこから実際に行動するのはやはりその人次第ということになります。

ただ、これは相手が怠けているとか、やる気がないということではありません。その考えはあくまでも「あなた自身の考え」ですから、それを相手に押し付けることは「認めて尊重する」ことにはなりません。

それを踏まえた上で、「相手がどんな状態であろうとも、それを認めて”あなたはあなた”と受け入れる」ということが大切です。それを無視して、求められていない助言をしたり、悪いところの指摘をしたりすると、当然ですが良い関係を築くことはできません。

言いたいこと、指摘したいところは山ほどあるけど、それを言わずに”あなたはあなた”と捉えることが大切です。

相手を受け入れると言うのは簡単に言うと、小さな”いいね”をたくさん見つけて伝えてあげると言うことでもあります。

前章でもお伝えしましたが、言いたいこと、指摘したいところ、変なところはたくさんあると思います。特にお子さんの場合、未発達な存在なのでそういうところがたくさんあるでしょう。ただ、それをいちいちチクチク言っていると、関係は悪くなります。

なんでも良いので、小さな”いいね”を見つけていきましょう。髪型かも知れないし、服装かも知れません。その人の動作だったり、口癖だったり・・・

子育ての場合、叱る必要もありますよね。例えば命の危険があるときや他人に被害を与えてしまう恐れがある時には叱る必要があります。

ただ、感情的に怒るというよりは、子どもに伝えたいことが伝わるということが大切なので、諭す、叱るというのが大切です。次からはこうしよう、というメッセージを伝えることが何よりも大切です。上司が部下を叱る時もそうですし、奥さんが旦那さんを叱る時もそうです。私の中に一番最初に溢れてくるのは感情ですが、それをそのままぶつけてしまっては関係が拗れてしまいます。感情を一旦受け止めて、「私はこう思う」と伝えてあげるのが良いでしょう。そのために、自分の感情と付き合う方法は以前解説していますので参照くださいね。

ずるい言い方ですが、両方大事です。

ただ、もっともっと大切なことがあります。それは、普段の関係性です。子どもでも大人でも、普段から指摘されまくっていたり、要らないアドバイスばかりしてくる人に対して心を開くことができるでしょうか?叱られた時に反省をすることができるでしょうか?褒められた時にモチベーションになるでしょうか?ならないですよね。子どもでも大人でもみんな人間ですので、自分を認めてくれない人のお話はあんまり聞きたくありません。自分を信じてくれる人の話が聞きたいと思います。

普段から、”あなたはあなた”の精神の基、小さないいねをたくさん伝えてあげることで、人間関係の基盤ができてきます。これは日常生活の繰り返しの中でより締まった土壌になってきます。この土壌がしっかりとしていることで、褒めることも叱ることもしっかりと効いてきます。反省をしたり、モチベーションになったりします。

この、しっかりとした人間関係の基盤ができてしまえば、多少変な怒り方をしてもわざとらしい褒め方でも問題ないことが多いです。

カウンセリングをしたり、親御さん向けの講演の中でも、これが一番難しいと言われます。他人のためなら頑張れるんですけど・・・と。

今回のテーマを、自分自身に向けても理解することができます。つまり、自分自身と良い関係を築くということです。あるいは、自分自身と良き友になるとでも言えましょうか。

セルフコンパッションという言葉があります。自分自身を大切にしましょう、ということなのですが、昨今注目を集めている概念です。ここでは深く説明はしませんが、「人間関係を良くしようと頑張っている自分を認めて褒める」ことと同じです。

それは、インナーチャイルドをよしよしするのに似ているのかも知れません。

自分自身に甘い方が良いですか?ストイックな方が良いですか?この問いの答えも、前述したことと一緒で答えは「どっちでもOK」です。自分自身としっかりと良い関係を築けているのか、が大切です。

今回は、自分自身も含めた対人関係で大切なことについて解説をしました。

途中で登場した、セルフコンパッションについては、また記事にするかもしれませんが、しないかもしれません。

大切なことは日常の積み重ねです。それではまた次の記事で

皆様の理解の一助になれば幸いです。

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この記事を書いた人

静岡県浜松市にある、メロウカウンセリングオフィスを運営する臨床心理士、公認心理師。子どもから大人まで幅広くカウンセリングを行ってきた経験をもとに情報を発信していきます。感情コントロールや自分との付き合い方、トラウマケアに専門性を持ちます。
3児の父としても日々奮闘中。。。

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