あなたはモヤモヤする気持ちと聞いて、ピンとくる感覚はあるでしょうか?
人によっては、胸あたりにモヤがかかっている感じとか、なんとも言えない”あの”感じと漠然とした体の感覚として捉えている方もいるでしょう。
そして原因やきっかけがあってモヤモヤが出てくる事だってあると思いますが、特に思い当たることもなくそこに存在しているということもあるでしょう。
今回は、なんとも言語化しにくいモヤモヤについて考えてみたいと思います。
今回は知っていると得する、モヤモヤとの付き合い方についてのお話です。
モヤモヤについて臨床心理士の視点から思うこと
いきなりまとめみたいな章立てですが、カウンセリングの中で語られるモヤモヤについて考えてみたいと思います。
私たちは日常生活の中で、常に外界からの刺激を状況として受け取り、それに対して様々な形で反応をしています。
具体的にいうと、思考、感情、身体感覚、行動です。
詳しくはこちらの記事を参照いただけたら良いですが、例えば、友達から遊びに誘われたという場面で考えてみると以下になります。
- 状況;友達に誘われた
- 思考;最近遊べていなかったから楽しみだな。でも月末で金欠だった、、どうしよう、、
- 感情;嬉しい、心配、不安
- 身体感覚;胸の辺りがワクワクしている、不安で背中が硬くなっている感覚
- 行動;「楽しみにしているね」とラインで返事をする
という感じです。この場合、「楽しみなんだけど、ちょっと心配」というように相反する気持ちが生まれています。これを葛藤とか言いますが、迷いが生じています。
そして、葛藤という気持ちは、同時に身体感覚にも現れてきています。ワクワクしつつ不安な感覚が同時にある感じです。そして最終的な行動としては、楽しみである、という気持ちに従ってラインで返事をしています。
この流れを言葉でみると非常に単純ですが、実際にリアルタイムでこれが起こるとこんなに落ち着いて冷静に分析はできませんよね。大抵は、どちらか一つの気持ちにのみ焦点が当たり、もう一つの気持ちはあまりスポットが当たりません。
そもそも人間は葛藤することが苦手です。面倒臭いし、エネルギー使うし、悩むことって大変だからです。だから、どちらか一つの気持ちや考えにスポットを当てて、省エネしている感じです。
大抵の場合は、少し時間が経って、「うーん・・」と迷いが出てくるんじゃないでしょうか。スポットが当たらなかった方の気持ちや身体感覚がゾンビのように復活してきて「私の話も聞いてくれー」って感じで息を吹き返すのです。
この、意識している気持ちや考え身体感覚とは別の、無意識に追いやられてしまった気持ち、考え、身体感覚がモヤモヤの正体ではないか、というのは推理の一つになってきます。
ここから先、「なぜこういう考え、感情、身体感覚を無意識に追いやってしまうのか」など、深掘りしていくのはカウンセリングなど第三者が入ってやっていく方が良いかもしれませんね。
これはモヤモヤに対しての推理の一つですので、違う推理もあると思います。
モヤモヤに耳を傾ける
もし、あなたのモヤモヤのタイプが上述したような、無意識に追いやってしまうパターンだったら、耳を傾けてみるというのも一つかも知れません。もちろん、傾けなくたって良いです。
あなたのモヤモヤの感じは、数字で表すとどのくらいのもやもやでしょうか。
昔ながらの水銀タイプの温度計で表して、0がモヤモヤが全くない状態。100が耐え切れないくらいのモヤモヤだったとしたら今の感じは何度くらいでしょうか。
そして、そのモヤモヤが体の中に存在しているとしたらどの辺りでしょうか。違う言い方をすると、モヤモヤは体のどこにいますか?
そうやってモヤモヤの正体について意識を向けたり考えたりすることも良いかも知れません。
正体を暴くというよりも、モヤモヤがそこに存在していることに気づいている、知っているよくらいのスタンスが良いかも知れません。大体はモヤモヤの正体を頭で考えようとしても分からないことが多いのでね。
モヤモヤしたままだって良い
モヤモヤするという体験は、もしかすると自分に対して何かのメッセージなのかも知れません。
例えば、今の生き方に対する疑問かも知れないし、知らず知らず負荷がかかっている事についてのお知らせかも知れません。強迫的に、モヤモヤを0にしなきゃとか、モヤモヤが全くない状態を目指そうとするのは、また新たなモヤモヤを生むきっかけとなってしまうかも知れません。それよりもモヤモヤを持った状態でも、自分がやりたいことができるとか、目標に向けて行動できるというスタンスも大切かも知れません。
まとめ
モヤモヤした気持ちは誰もが体験したことがあると思いますが、言語化しにくかったり原因が分かりにくいとか掴みどころがない感じもあります。
数値化したり場所をイメージしたりして少し具体的にしたり、共に生きていくという姿勢もまた取り入れていただくのもいいかも知れませんね
皆様の理解の一助になれば幸いです
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