あなたのその行動に隠された秘密のメッセージ?行動から読み取れる欲求とは・・

私たちは日常生活の中で常に行動を繰り返しています。周りから見て意味のある行動もあれば、癖やルーティンのような習慣化された行動もあると思います。またお子さんの場合でも同様で、日常生活はたくさんの行動から成り立っています。もっというと、人生というのも細かく見ていくと、たくさんの行動の連続からできていると言えるかもしれません。極端かもしれませんが。

今回は、私たちが普段何気なくおこなっている行動について観察しようという記事になります。

行動を観察することで、その意図を知り、私たちの隠れた欲求について知ることができるかもしれません

今回は知っていると得する行動に隠された秘密のメッセージについてのお話です。

目次

私たちが性格と言ったりキャラクターと言っていることの多くは「行動のまとまり」を指すことがほとんどです。例えば「あの人は優しい人だ」と言う時に、何を根拠に優しい人だ、と判断をしているのでしょうか。ほとんどはその人の行動をたくさん見てきて、最終的なまとめとして「優しい人」と言う言葉で括っているのだと思います。気が利く、思いやりがある、と言う言葉についても同様で、その根拠となる行動が束になることで、性格やキャラクターを作り上げていることになるのです。

Point!

性格やキャラクターはその人の行動の集まりで作られている

欲求というのは「水が飲みたい」「お肉を食べたい」など人間が何かを欲する気持ちのことを指しますが、物質的な欲求以外にも精神的な欲求もこれに入ってきます。例えば承認欲求と言えば人に認められたいという欲求になってきます。承認欲求の場合は分かりやすいので、自他ともにあの人は承認欲求の強い人だとか認知がされやすいです。

一方で隠れた欲求というものもあります。以前記事にした、「回避」「要求」「注目」「感覚」という欲求です。これらの欲求というのはあまり意識されない欲求で、本人も分かりにくければ、周囲の人はもっと分かりにくいという特徴があります。まさに隠れた欲求という感じで、意識的に欲求を表現できないので、無意識的に行動に組み込まれて「不自然な行動」や「困った行動」「めんどくさい行動」のような形で表現されることが多いのです

Point!

その行動には「回避」「要求」「注目」「感覚」という欲求が隠されているかも

私たちの日々の行動の中に、隠れた欲求がないか探す方法をお伝えします。

きっかけ

私たちが行動をするきっかけになったトリガーを探しましょう。先行刺激とも言います。基本的にどんな行動を起こすにも何かしらのきっかけが必要になってきます。

アクション

私たちが起こす行動を指します。もっと言うと、思考する、というのも一つの行動です。

結果

行動やアクションを起こした結果、自分にどんな結果が返ってきたのかを指します。メリット、デメリットがあると思いますがひとまとめに結果、と表しします。

お腹が減る→間食をする→空腹が満たされる のような非常にシンプルですが、このような感じです。

このようにまとめるためには、まずはアクションから書き出してみて、そのアクションに至るまでのきっかけと、そのアクションを起こしたことでの結果(メリット、デメリット)について考えるという順序がやりやすいと思います

またアクションが行動の場合には、客観的で分かりやすいのですが、思考の場合は主観的なものが多く含まれますので、コチラで詳しく解説をしています。

今までのところで、アクションをきっかけと結果に分けて考えるというのをやってきました。この章では、そこから深ぼって欲求を推測していくという段階に入っていきましょう。

そこで大切になってくるのは、「回避」「要求」「注目」「感覚」の4つです。

回避

私たちは日常生活の中で様々な理由があり回避したいこと、やりたくないことが山ほどあります。意図的に回避することもあれば、無意識的に回避していることもあるようです。

特に思考で、自然に言い訳が出てきたり、「だって」「でも」という回避ワードが出てきた時には、無意識的に「この問題を考えたくない」という思いが隠れているのかもしれません。そして、結果として「その一時は考えなくて済む」という一時的なメリットが発生しているのかもしれません。また、お子さんの場合だと、難しいことや興味のないことを促された時に、大人が困るような行動をとることもあるかもしれません。ただ、自分が知らず知らずのうちに、この回避的な気持ちを行動で表現していたのだと気づくことはメンタルヘルス的には非常にポジティブだと考えられます。心では拒否反応を起こしているのに、行動としては無理やり遂行して、病んでしまうということは意外にも多いのです。行動を発端として自分の心に意識を向けていくというのは大切です。

要求

要求とは、何かを欲する気持ちのことを言いますが、ショッピングセンターのおもちゃ売り場で寝転がって癇癪を起こしているお子さんはきっとこの「要求」という気持ちの表れなのだと思います。大人の場合はどうでしょうか。もしかすると、承認欲求というのはここに入るかもしれませんね。要求というのは、give(与える)という主観的なものではなく、given(与えられる)のを待つという受身的なニュアンスがあります。自分が行動を起こして、相手から何かしらのメリットが与えられるのを待つ、というのが本質な気がします。承認欲求というのをみてみると、自尊心や自己肯定感は自己評価的なものである、とコチラの記事で言いましたが、承認欲求というのは相手からの評価になってきます。相手の気持ちは自分ではコントロールができませんから、いろんな行動をして相手をコントロールする(言い過ぎかもしれませんが)という見方もできるかもしれません。

注目

「相手にかまってほしい」「気を引きたい」ような行動を注目行動と言ったりします。お子さんの場合だと、例えば赤ちゃんが産まれて自分だけの両親ではなくなってしまった時に、いろんな悪戯やわがままを言って両親の注目を得ようとします。目的は両親の注目を得ることなので、言っている言葉の意味は関係ありません。「これが嫌、あれが嫌」というので、一瞬「回避?」「要求?」とか思うのですが、大事なのは物ではなく、両親の注目であったということがよくあります。もちろん、注目+要求など重なり合っていることもあありますが、シンプルにみると注目機能のことが多いように感じます。大人の場合だと、炎上商法など、自分中心の劇場の主人公のような感じでネガティブな見方も多くなってしまうのかもしれません。

感覚

お腹が空いたから、寒かったから、それ自体が心地よかったから、というような5感を含めた欲求を指します。意外に見落とされがちなのがこの「感覚」で、空腹、寝不足、ホルモンバランスなど身体感覚に基づく精神状態の変化というのは決して軽視できませんし、むしろ第一に考えるべき要素だと考えています。また、自己刺激行動というのもあり、指すいや爪噛みなどが含まれます。

・アクションの予測と予防ができる

良いアクションならそのままでいいのですが、誰かに迷惑がかかったり、自分が苦しいアクションというのはできれば減らしていきたいですよね。その場合に、隠れた欲求に気づくことで行動そのものの自己理解が促されます。このアクションにはこういう意味があったのか、そしてこんな歪んだメリットが自分にはあったのか、と。そして、問題なのはそのアクションだけでなく、アクションを起こすきっかけや、そのアクションをすることでのメリットがあると気づくことになりますよね。アクションだけを消去することは非常に難しいのですが、そのきっかけが起きる頻度を変えることができるのか、違ったアクションで隠れた欲求を満たすことはできるのか等、対策の幅が広がっていきます。また、自分のパターンを知ることができるので、「出たでた、このパターン」とある程度予測ができるようになります。

今回は、その行動に隠された秘密のメッセージについて解説をしてきました。

お子さんから大人までみんなに当てはまる内容になっていますので、自分で考えてもいいし、他者で考えてみるのも良いかもしれませんね。

皆様の理解の一助になれば幸いです。    

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この記事を書いた人

静岡県浜松市にある、メロウカウンセリングオフィスを運営する臨床心理士、公認心理師。子どもから大人まで幅広くカウンセリングを行ってきた経験をもとに情報を発信していきます。感情コントロールや自分との付き合い方、トラウマケアに専門性を持ちます。
3児の父としても日々奮闘中。。。

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